2015年10月30日

旭化成建材、データ改ざん4カ所に 新たに釧路・横浜 国交省、調査拡大を検討

30日朝刊2面【総合1】
 旭化成子会社の旭化成建材(東京・千代田)が杭(くい)打ち工事をした北海道釧路市の道営住宅2カ所と横浜市の中学校でデータ改ざんが見つかり、改ざんは横浜市の傾いたマンションと合わせ計4カ所となった。同社は29日、新たなデータ改ざんの事実を認めた。問題が個人の不正にとどまらないことが判明し、国土交通省は調査対象を同社以外にも広げる検討に入った。
●また流用判明
 北海道庁は29日、釧路市で旭化成建材が杭打ち工事をした道営住宅で、データ流用が見つかったと発表した。28日にも同市内の道営住宅でデータ流用が見つかっており、同じ現場責任者が杭打ち工事を担当していた。
 新たにデータ流用が分かった建物は鉄筋コンクリート8階建て。道の調査によると、杭22本を打った際の電流計の記録のうち2本のデータが同一で不自然だった。旭化成建材は「同一データを使っていると認めざるをえない」と話したという。この住宅には現在39世帯が入居している。
 横浜市は29日、旭化成建材が杭打ちをした市内の公共施設で、210本の杭のうち15本の先端を覆うセメント量について、データ流用が確認されたと発表した。施工担当者は市内の傾いたマンションとは別人だった。
 施設は中学校で、市内の元請け業者がデータを照会したところ、セメント量などがまったく同じ杭が見つかった。旭化成建材はデータ流用を認めたという。一部は流用だけでなく別のデータを挿入して加工されていた。現時点で傾きやひび割れなどは起きていない。
●数十件で疑い
 旭化成建材が杭打ちをした建物のうち、データ改ざんが疑われるのは全国で少なくとも数十件に上る。旭化成は傾いたマンションと同じ工法で杭打ちをした全国3040件の調査状況を30日に公表する。
 旭化成建材の前田富弘社長は29日、傾いたマンションの杭打ち担当者が携わった41物件のうち、23件が集中している愛知県の大村秀章知事と名古屋市で会い「県民の皆様に心配、迷惑をかけている。おわび申し上げる」と陳謝した。大村知事は「愛知県での調査を最優先し、安全性の確認をしてほしい」と要請した。
 複数の施工担当者によるデータ改ざんが明るみに出たことで、より多くの物件で改ざんが行われていた疑いが浮上してきた。改ざんが旭化成建材1社にとどまらない可能性も指摘されている。
 国交省は旭化成建材以外の業者にも調査対象を広げる検討に入った。来週初会合を開く有識者委員会の議論などを踏まえ、慎重に判断する。同省によると杭打ち工事会社は全国に数百社あり、各社に自主的な調査を求め、報告させる方向だ。


しばしば報道が犯すのは、本質から外れた話をフレームアップして、どんどん関係ない方向へと世論を誘導することです。
世間の関心がそちらに向くだけなら別にいいのですけど、その先に待っているのは役所の規制を強めよという「要求」であり、それによって役所の権益が拡大していくことです。
規制強化とは、大きな政府論であり、「検査機関」とか「審査機関」という名の天下り先の拡充に他なりませんが、片方では小さな政府とか、天下り先の撲滅とか片方で論じているのですから、一体どっちやねんとツッコみたくもなります。
という訳で、報道をただ追って「ふんふん、なるほど。こりゃケシカラン」と怒ったり嘆いたりするのでは、メディアに乗せられているだけに過ぎないのです。
私たちが常に心がけたいには、「この問題の本質は何なのか」という視点です。

今回は、マンションの基礎施工において杭が支持層にまで到達しておらず、基礎杭の自然沈降による建物の傾きがあったということです。
現場の作業管理者および作業者は「達していた」という認識だったそうですが、実際には達しておらず、それを証明するデータにも「改ざん」があったと。
ここで本質なのは、データの「改ざん」にあるのではなく、杭打ちの作業そのものにあるはずです。
施工した旭化成建材の資料(http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2015/pdf/151020.pdf)では、未到達の要因として次の2点を挙げています。
(1) 支持層への到達を確認しないまま作業を終了
(2) 急しゅんな傾斜の支持層であったため支持層に到達したと誤認
1については、故意なのか未必の故意なのかはこれからの話ですが、いずれにせよ決められた作業手順から外れた違反行為であるのは間違いありません。
さらにデータを「改ざん」していたのなら、自分の行為を隠蔽するためのものであるかもしれず、これは悪質だと思います。
最近も会社への怨恨から、自分が点検したエレベーターで、意図的に不具合が発生するよう仕掛けた作業員が逮捕されましたが、これと同種の話となります。
一方、2については、管理者も作業者も「到達した」と確信したが、実際は未達であったという状況で、逆にこのケースではデータが作業の正当性を証明することになり、わざわざ「改ざん」する必要はないということです。
では、なぜ他のデータを流用したりしたのか、言われていることは当時の測定器からのデータ出力が記録紙だけであり、これが現場で紙詰まりや操作の不手際などにより欠測してしまったので、やむなく他のをコピーして貼り付けたり、加筆したりしたのだとされています。
その時しか取れない観測データというのは、今の時代にあっても欠測はありますが、一般的には、こうした事情で欠測したと空白にするものです。
所が、それだと元請けが作業記録を受け付けないので、やむを得ず作文したという話も伝わっています。
しかし、データは杭打ち作業の客観記録であって、支持層への到達、未到達、あるは根固めのセメントミルク量については、現場において作業者の確認が第一義なのです。
それが出来ていなかったのなら、作業者のミスであり、施工会社の管理ミスであるわけです。
本質なのは、データの「改ざん」にあるのではなく、杭打ちの作業そのものだというのは、こう言う意味なのですけど、現場でのやむを得ない作文でもって、この建物も欠陥だ、あの建物も欠陥だと言い募ることが果たして社会的に有意義なのかなと思います。
posted by 泥酔論説委員 at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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