2015年10月21日

政府機関の移転に知恵絞れ

21日朝刊2面【総合1】社説2
 東京に集中する中央省庁や独立行政法人などの政府機関をどれだけ地方に移転できるか。地方創生を掲げる安倍政権の本気度を測る試金石になるだろう。
 政府は東京、神奈川、千葉、埼玉を除く43道府県に対して誘致したい政府機関を提示するように求め、8月末までに鹿児島県を除いた42道府県が69機関の誘致を提案した。
 現在、道府県や関係機関に意見を聞いており、年内に対応策をまとめて来年3月末までに移転機関を決定する方針だ。
 自治体側の提案をみると、文化庁や消費者庁、中小企業庁などの政府機関のほか、理化学研究所のような研究機関や消防大学校のような研修機関の誘致を求めている。69機関のなかには首都圏に立地する必然性が低い組織が少なからずある。
 政府機関の地方移転はかつて竹下内閣時代にも実施された。約70機関が移転したが、横浜市やさいたま市など東京近郊ばかりで、首都圏以外に移ったのは3機関だけだった。
 政府は現在、東京に集中する企業の本社機能の地方移転を税財政面から後押ししている。自ら範を示す意味でも、一定の成果を上げなければならないだろう。政府機関の移転が進めば地方経済への効果も大きい。
 各省庁の対応をみると気になる点がある。全面移転を避けるために、地方への出先機関の設置を逆提案する動きがある。見かけ上の移転件数を水増しするために行政の肥大化を招く結果になれば、本末転倒である。
 東京から移転できない理由としては国会対応や他の省庁との連携を挙げる場合が多い。一見もっともなようだが、むしろ、テレビ会議の活用など政府内部での仕事の進め方そのものを見直す機会にすべきだろう。
 移転できない理由をあれこれ探すのではなく、移転に伴うマイナス面を減らして効果を膨らます知恵が必要だ。


先日も、東京からつくば市に移転した某国立機関の研究者と話をした際も、「結局、東京とつくばの往復で仕事にならない」とボヤいていました。
東京に出掛けるのは、他省庁との折衝であったり、学会であったり、講演であったりと週の半分以上を占めるデスク以外の仕事のためであり、いくらつくばエクスプレスで45分ほどで都心に出られるとは言え、心理面からは「やはり不便だな」というものだそうです。
テレビ会議を経験した方ならよくお分かりのように、画面の向こう側とのやり取りで「報告」は親和性があるが、「議論」には不向きです。
メールにしても、ニュアンスが伝えられない、相手の反応が見えにくいというので、やはりこれも「議論」には向いていません。
「報告」「連絡」「相談」という事務レベルはITで十分置き換えることができますが、物事を進める上で最も必要な「議論」は、残念ながらフェイス・トゥ・フェイスでしか実現できないのです。

政府機関の地方移転は、一体誰が得をするのかという所です。
例えば文化庁が札幌に移転しました、その職員や家族も引越してきました、それだけの効果なのでしょうか?
むしろ、マイナス面の方が多いような気がします。
札幌に文化庁が存在しなければならない理由は何処にあるのか、これがよく分からないのです。
森林の試験場や水産の試験場などが東京に置かれる理由がないように、その機関を移転するのが単に「地方活性化のため」というのでは無駄だと思うのです。
この仕事のためには、ここに機関を設置するしかない、それでは自治体で受け容れましょうというのが本筋であって、「何だか知らんけど、ウチに国の偉い役所が来るってさ」では困ります。
企業の地方移転でも、単なるコスト削減が理由では失敗しており、その地域に根ざすことに拘る何らかの大きな理由があって、それを強みにしているから競争で勝てるのです。
移転のための移転であってはならず、必要あっての移転であって欲しい所です。
このままですと、地方には本庁の看板だけ掛けて、実態は東京にあるだなんてことになりかねませんね。
posted by 泥酔論説委員 at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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