2012年08月16日

超党派で結束し領土を守るときだ

16日朝刊2面【総合】社説
 領土をめぐる周辺国の攻勢が激しさを増してきた。ロシアのメドベージェフ首相が北方領土を再訪したのに続き、こんどは韓国の李明博大統領が竹島(韓国名は独島)に初めて足を踏み入れた。
 日本が実効支配する尖閣諸島でも、中国が領有権の要求を強めている。15日には香港の活動家らが同諸島の魚釣島に上陸した。
 領土問題は国民のナショナリズムを刺激しやすい。不人気な為政者にとっては威信回復の切り札かもしれないが、外交関係を著しく損なう危うさを抱える。
 ロシア首相や韓国大統領の行動はあまりに軽率で、外交的な配慮を欠く。李大統領は天皇陛下の訪韓についても「痛惜の念という単語ひとつで訪ねてくるなら必要ない」と述べ、「心からの謝罪」を求めた。日本の国民感情を逆なでする言動で、国家指導者としての資質すら疑わざるをえない。
 ただ、挑発行為に感情的に応じていては、事態は一向に改善しない。日本としては周辺国の攻勢にさらされるようになった経緯を冷静に分析し、具体的な対策を練っていく必要がある。
 振り返るとやはり、2010年9月に尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件にたどりつく。日本側は当時、中国の圧力に屈する形で中国人船長を釈放し、民主党政権の外交は弱腰との印象を与えた。ロシア大統領だったメドベージェフ氏が初めて北方領土を訪れたのは、この年の11月のことだ。
 民主党政権のもとで、日本外交の基軸である日米同盟が揺らいだ影響も大きい。米軍普天間基地の移設問題で日米の亀裂を招き、最近もオスプレイの配備をめぐって関係がぎくしゃくしている。
 日本の政権の弱体化に加え、日米同盟まで揺らげば、中韓ロは米国の反応もさほど気にせず、日本に対してより強気に出られるようになる。これが周辺国に付け入るスキを与えたといえるだろう。
 危惧すべきなのは、日本の領土を標的に周辺国が連携して圧力を強めることだ。国粋主義的な論調で知られる中国の「環球時報」は社説で、日本の領土問題でロシアと韓国を支持し、韓ロと協力することで尖閣諸島問題で日本に対し優位に立つべきだと主張した。
 中国政府はかつて北方領土問題で日本への支持を表明したことがあり、竹島をめぐっては中立を貫いてきた。中国政府の公式の立場と食い違っているが、環球時報のような主張が公然となされたことは、中国の指導部内にも同様の声があることをうかがわせる。
 日本が巻き返すためには、中韓ロの攻勢を許してしまっている原因をひとつずつ解決していくしかない。まずやるべきなのは、内政の混乱が対外政策の足を引っ張る構図を改めることだ。
 政界では衆院解散・総選挙の足音が高まっている。総選挙後には政権の枠組みが変わる可能性もとりざたされ、ただちに内政を安定させるのは難しいのが現実だ。
 それでも打つ手はある。領土をめぐる対応は政争の具とせず、超党派で結束して取り組んでいく体制を整えることだ。この点では与野党とも連携できるはずだ。まず、野田佳彦首相から野党側に協力を呼びかけてほしい。


このままですと、中露韓に加えて北朝鮮からすら圧力がかかる可能性があります。
そして後ろを振り返ってみたら、アメリカも居なくなっているかもしれません。
これが、わが民主党外交の「成果」なんでしょう。
素晴らしい戦略です、たった3年でわが国の外交と安全保障を破綻させてしまったのですから、日本を追い落とそうという勢力からしたら「グッジョブ!」の賞賛ですよ。

「領土をめぐる対応は政争の具とせず、超党派で結束して取り組んでいく体制を整えることだ」、なるほど民主党の一部には自民党の外交・安全保障政策と軌を一つにする議員もいます。
しかし、所謂「左翼」と呼ばれる人たちも民主党の一角を構成しているばかりか、党にとって大きな支持母体でもあります。
この3年間の出来事は、こうした日本型「左翼」思想の為せる結果であり、それを政党内に抱えている限り、民主党自体がまとまるわけもないのは、いままで散々見てきたとおりです。
野党に協力を呼びかける前に、そもそもバラバラの党内でコンセンサスなんか取れないでしょ、というお話ですよ。

離合集散は政治の常ですが、野田代表は民主党を保守系と左翼系とに解体させたらどうかと思います。
いまだに党綱領すら纏まらない異常な政党のまま突き進むのか、どう転んでも次の選挙では大敗して元の野党に転落するのは目に見えているのに選挙互助党でいいのか、与野党交代しても外交と安全保障を変えない政治体制を確立するには、こうした民主党のあり方が大変重要だと思います。
小沢氏も切り、左翼勢力も切った民主党、相当小ぶりになるでしょうけど、今よりはスッキリした政党になりますよ。
超党派の話は、それからでしょ。


posted by 泥酔論説委員 at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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