韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は14日、日本との間でかねて懸案になっている天皇陛下の訪韓に関し「訪問したいのであれば、(日本の植民地支配からの)独立運動で亡くなった方々を訪ねて心から謝罪するのならよい」と述べた。韓国・忠清北道で開かれた教師らの勉強会で発言した。
李氏を含め歴代の韓国大統領は訪韓を要請してきた立場だが、天皇陛下による明確な謝罪を条件とする考えを韓国側が示したのは初めてとみられる。日本の反発は必至で、今後の日韓関係にも影響を及ぼしそうだ。
李大統領は10日に竹島(韓国名・独島=トクト)を訪問。15日の日本の植民地支配からの解放記念日を前に、従軍慰安婦問題を巡り対立する日本への反発姿勢を重ねて示した。世論がまとまりやすい日本との歴史問題をとりあげ、低迷する支持率回復につなげる思惑もあるとみられる。
天皇陛下の訪韓は具体的な計画が進行しているわけではないが、李大統領は「痛惜の念という単語ひとつで訪ねてくるなら(訪韓は)必要ない」とも明言した。
自身の竹島訪問に関しては「2、3年前から考えていたことで、深い配慮をし副作用を検討した」と説明。日本の植民地支配を念頭に「日本が加害者と被害者の立場をよく理解できていないので諭そうとしている」と語り、最近の一連の対日強硬姿勢は歴史問題に対する日本の取り組みへの不満の表明であるとの立場を改めて明確にした。
例えてみれば、泥棒の心情をいくら忖度したところで盗難がなくならないように、重要なのは家の防犯をしっかりすることです。
李氏の一連の言動を「韓国の内政上の問題」とどんなに解説しても、日本には何ら関係のないことであり、表出している事実が全てだというお話です。
問題なのは、わが方が防犯どころか扉を開けっ放しにして、「さあ、どうぞ」と泥棒を呼んできた姿勢であります。
泥棒が土足で上がってきて、身ぐるみ剥がされてようやく「大変なことになった」と慌てるのは、尖閣諸島での事件と全く同じ構図です。
「2、3年前から考えていたこと」が本当ならば、日本の政権交代と同時に対日強硬路線を大統領が意識していたことになりましょう。
それ以前から、ヘンテコな民主党議員が韓国に行っては、「謝罪」をしてきたりしてましたので、コイツなら御し易いなと。
「舐められている」という言葉は使いたくないのですけど、要するに民主党が友愛でもって一生懸命プロポーズしていたのに対し、韓国も中国も「これぞ犯すチャンス」と捉えていたわけです。
ナイーブな善隣外交がいかに危険であるのか、これが証拠です。
『韓国併合への道 完全版』(文春新書)は、呉善花・拓殖大学教授の労作です。
これを読めば、韓国併合の実相がよく理解できます。
経済や社会を本国と同じレベルに引き上げようと、本国の予算まで使って投資する「植民地政策」は古今東西どこを探してもありません。
植民地とは収奪する一方なのに、日本は朝鮮に対して大赤字で、一体何のために併合したのかということです。
端的に言えば、明治維新によってアジアで最も早く近代化に成功した日本は、その改革を輸出しようとした、それが朝鮮だったのでしょう。
もちろん、中国やロシアからのバッファとして朝鮮半島は日本の防衛線であり、ここに反日王朝など立てられては困るという戦略的な意図は背景にあります。
しかし、西欧のように支配し収奪するだけで済むのに、何故か日本はそうしなかった。
インドやインドネシアが英国やオランダの国王に謝罪しろ、だなんてのは寡聞にして聞いたことありません。
いや、朝鮮の「恨」は神功皇后の三韓征伐から、豊臣秀吉の朝鮮出兵、そして太平洋戦争まで続く、日本人の侵略性だともいいます。
だとしたら、唐から清まで幾度も朝鮮半島への侵略を繰り返した中国人に対して、「謝罪しろ」と主張しているのか、ここもよくわかりません。
後先考えないご都合主義ですから、こうした数多くの矛盾も彼らは気にしないのかもしれませんけど、日本人までが少なからず信じているのは困ったものです。
泥棒の理屈を聞いたって仕方ない、隣であればあるほど友愛を捧げるより、是は是、非は非と対応するのが外交だと思います。