2012年08月14日

介護保険は給付費の膨張に歯止めを

14日朝刊2面【総合】社説2
 介護保険の認定を受けた人は今や500万人を超え、利用者負担を含めた総費用は2012年度、9兆円に迫る勢いだ。制度開始から12年で総費用が2.5倍に膨れ上がるスピードは異常である。
 団塊の世代が早くてあと5年で70歳になる。このままでは消費税を上げても保険財政の維持が難しい。次の改正年度となる15年度に向け、高齢者が急増しても保険制度が持続できるよう、給付と負担のあり方を一から洗い直す必要がある。給付費の膨張を抑える制度に再設計しなければならない。
 給付費が増えれば保険料を上げざるを得ない。ただ、すでに4月から65歳以上が払う介護保険料は全国平均で前年度比19.5%引き上げられ、月4972円と限界とされる月5千円に近づいている。40〜64歳の勤労者の負担も月4700円(労使合計)に上がり、企業経営の重荷になりつつある。
 今の介護保険は利用者が1割を負担し、残り9割の半分ずつを税金と40歳以上の人が払う保険料で賄っている。保険料のこれ以上の引き上げが難しいなら、低所得者に配慮しながら介護の必要性が低い利用者などの自己負担を増やすことは避けられまい。保険料の徴収年齢を40歳未満に広げることも検討する必要がある。
 介護の必要度合いを示す要介護度は心身の状態に応じて7段階あり、自治体の訪問調査などをもとに決められる。軽い段階ほど保険で受けられるサービスが少なく、調査時に日常の動作が困難だと必要以上に訴え、重い段階に判定してもらおうとする人もいる。
 軽度の人が掃除など生活を助けてもらえるサービスを利用し、かえって体を動かさなくなり筋力が衰えるなど、「自立」を促す介護保険制度本来の趣旨から外れる例も目立っているという。こうしたサービスは保険の対象外にすべきだ。すぐに無理なら、廃止を前提に自己負担を2割に上げて給付費の膨張を抑えてはどうか。
 政府は4月、看護師らが利用者宅を24時間いつでも訪れるサービスを導入した。高齢者が長期入院する病床が減り、施設不足も深刻な現状を考えれば、住み慣れた家で過ごす「在宅」への移行を促す施策は推し進めるべきだ。
 そのためにも、訪問看護に適用される保険が医療と介護で重複している今の制度を見直し、介護保険と高齢者の医療制度の一体運用を検討する時期に来ている。


老母の介護をしている泥酔でも、負担と給付が見合わない制度だと思いますよ。
ただ容態が悪くなって要介護度が急激に上がってくると、デイサービスだヘルパーさんだとか介護用具だとかの体制を早急に整える必要があり、介護保険の限度枠をあっと言う間に突破します。
そうなると保険料や1割負担の他に自己負担金が月額十数万円も必要となるので、こうした負担に耐えられる世帯がどれぐらいあるのか疑問も感じます。
現行制度は、かつてのように老人ホームや病院で寝たきりにせず、家庭内で介護するというのが基本政策なんですが、それは介護・医療機関に代わって、家庭・家族という無償のリソースがその役割を担うことになります。
気がついてみたら、泥酔の回りもそんな人ばかりで「今日は親の介護なんで・・・」と自分を含め早々に帰宅するような時代なんですね。
これの是非はともかく、介護保険は高齢者本人というよりも家族のための制度だということになります。
従って、どれだけ家族の精神的・肉体的・時間的・コスト的負担を軽減できるのか、日常の生活を持つ家族が破綻してしまったら、この制度は持続可能でなくなるのです。
「住み慣れた家で過ごす『在宅』への移行を促す施策は推し進めるべきだ」、と簡単に社説子は「べき」論を振り回しますけど、自宅の改修から毎日の介護まで在宅の大変さを知ってるのでしょうかね。
介護保険と高齢者の医療制度の一体運用、これもまた問題があります。
医療を介護制度に完全に組み込むと、介護保険の枠内でしか医療を受けられない可能性があります。
例えば、社説で紹介されている24時間の定期巡回・随時介護サービスでは、訪問看護士が月2回以上になると受託事業所が赤字なると言われています。
医療なら、病状が回復するまで医師や看護士の手当てが受けられるのに、介護ではサービスが低下してしまう、こうした問題も負担と給付の関係がベースにあるのです。
結局、どういう社会を構築していくのか、それには国民の負担がどうあるのか、ここを解きほぐさないととにかく給付を下げればいいのだ、とかの極めて粗雑な話に堕してしまうのです。
posted by 泥酔論説委員 at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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