2012年08月08日

決めない政治に戻るのか

8日朝刊1面 編集委員 坂本英二
 衆参両院に飛び交う内閣不信任決議案や首相問責決議案。政局は生き物だとはいえ、自民党が突如として政権への全面対決にカジを切った理由は何度聞いても分からない。浮かび上がったのは、いつ衆院選をした方が有利かというむき身の党利党略だ。
 野田佳彦首相は自民党内の空気の変化に気づくのが遅れた。社会保障と税の一体改革関連法案の成立が視野に入るなか、自民党では「このままなら解散の確約も取れず、消費増税の片棒を担ぐだけに終わる」との不満が再燃していた。
 首相が1日、来年度予算編成について「政治主導でしっかりとやり抜きたい」と言及した内容は普段なら問題にならない。しかし自民党議員の耳には、ずっと求めてきた早期解散を否定する発言だと響いた。谷垣禎一総裁は「俺にけんかを売っているのか」と即座に反応する。
 谷垣氏は2日以降、親しい議員や財務省幹部に一体改革法案が成立しない事態もあり得るとの考えを伝え始めた。党内に充満する倒閣ムードに、自ら同調する姿勢を示したのは初めてだった。
 側近議員は今の構図をこう解説する。「谷垣総裁はここで衆院解散のメドをつけないと9月の党総裁選で再選が危うい。野田首相はここで衆院選を約束すると党代表選での再選が揺らぐ」
 早期解散を迫る自民党の姿勢は一貫している。だが一体改革法案の採決をめぐり「お盆前なら賛成するが、20日に先送りなら3党合意は破棄する」「いや、今すぐ解散を確約しなければ倒閣だ」とハードルを上げる姿勢が幅広い理解を得られるとは思えない。
 自民党でも3党合意の破棄には「邪道だ。自ら合意した法案の成立に責任を持たなければ何を言っても信用されない」との声が漏れている。
 今国会で首相は「一体改革の実現に政治生命をかける」と繰り返してきた。政権延命を画策していると見られるのは本意ではあるまい。谷垣氏はつい2カ月前に「決められない政治」を変えようと党内や公明党を説得したのではなかったか。
 政治が次の権力闘争をにらんで動くのは当然だ。しかし今の局面は二大政党のリーダーが、国の重要政策と自らの利益のいずれを優先するのかが問われている。


マスメディアは総じて「自民党ケシカラン」という論調ですが、お盆明けに採決だ、いや特例公債法と一緒に採決だ、いやいや選挙制度改革も加えてだ、とか先送りしようとしていた民主党執行部のケツを叩いて、今日の採決に持ち込んだのは自民党でしょ。
採決→党分裂→解散→選挙敗北という現実から一日でも逃れたいのが民主党の多数なんですから、こうした手段でも使わないと法案が成立しません。
従ってボールを持っているのは野田首相であり、「政治生命を賭ける」と豪語したならば民主党がぶっ壊れようが採決を決断すべきなんですね。
そして、「マニフェストに書いてないことはやらないんです」と訴えてきたからこそ、一体改革法成立と同時に民主党政権は国民の審判を受けなければならないのは自明でしょ。
これらは、他党から攻められ止む無くやることじゃなく、政党として自らが律し、決することであり、それは野田首相の仕事なんですね。
これでは「決めない政治」「決められない政治」ではなく、「決めたくない政治」だと思います。
「決める」と約束してみたものの、いざ決めようとすると党内が大変なことになると分かってきた、でも「決めたの止めた」とも言い出せない。
そんな優柔不断さに業を煮やして脅しをかけ「決めろ」と迫る自民党、それに対して自民党ケシカラン、党利党略だと批判するマスメディア、そんな倒錯した姿がいまの政治状況なんですね。
posted by 泥酔論説委員 at 09:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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