2012年02月25日

AIJ、ケイマン使い実態隠しか 年金全額を投資

25日朝刊1面
 国内独立系の投資顧問会社、AIJ投資顧問(東京・中央、浅川和彦社長)が企業年金から受託した資金約2000億円のほぼ全額を、租税回避地の英領ケイマン諸島の私募投資信託を通じて運用していたことが24日、明らかになった。租税回避地は金融当局による監視が届きにくい。証券取引等監視委員会は、AIJが情報隠しのために同諸島を使った疑いがあるとみて、実態の解明を急ぐ。
 金融庁は証券監視委の正式な検査結果を待って、同社の登録を取り消す方向だ。AIJは廃業となる見通しだ。
 証券監視委は不透明な取引の実態を解明するため、ケイマンの私募投信を重点的に調査する。AIJはケイマンに3つの投信を登記し、年金資産を集めていた。この資金をどのように運用していたのかは現時点でははっきりとしていない。
 AIJが受託していた資金は9割が消失していた。理由は2つ考えられる。一つは相場の急変などによる運用損失の膨張だ。もう一つは集めた資金を投資に回さず、他の用途に流用していた可能性だ。
 資金の流れは明らかになり始めた。まず企業年金がAIJとの間で投資一任契約を結ぶ。AIJはケイマンの私募投信に年金資金を投資することを指図し、実質的なグループ会社であるアイティーエム証券(東京・中央)を通じて資金を流す。私募投信に流れた資金はAIJの実質的な指示で、英国系のバミューダ銀行を通じて運用されたとしている。



ご案内の通り、「投資顧問」とは投資運用、投資助言・代理を行う業者のことを指します。
記事にある投資一任業務は運用の一形態であり、「投資一任契約に基づき、投資者から投資判断や投資に必要な権限を委任され投資を行います」(社団法人 日本証券投資顧問業協会)と規定されおり、要するに「全部お任せするから、稼いできてや」という契約ですね。
投資ですから、もちろん元本保証はありませんし、そのリスクテイクは顧客側なんですね。
問題は、運用実績を偽っていた点であり、これは行政処分も然ることながら詐欺に該当するのではないかと思うのです。
更に本質的な問題は、運用を指示する投資顧問と実際に運用する証券会社が「同じ穴の狢」だったという部分です。
アドバイザーだと思っていたら、実は泥棒一家におカネを預けていたようなもので、当然こうしたスキームは最初から意図されていたものでしょう。
しかも、仲介をした信託銀行だってグルかもしれない、信託契約を結んでおいてどんな運用していたのか知りませんでした、でも信託料はいただきますってのじゃ盗人に追い銭ですよ。
つまり、このスキームは年金資金を食い物にするためのスキームです。
どこにもチェックが入ることがないよう、全部仕組まれていた、そう考えるしかありません。

これでまた、こうした投資業務に対する当局の規制を厳しくするのか、民主党政権ならやらかしそうですが、これには反対です。
事前規制のハードルを上げたり、徒に業態を厳格化することは、日本の投資環境を悪くし、経済の活力を失わせます。
今回の事件は金融商品取引法違反であり、刑法・民法にも抵触する可能性がある以上、「天罰」は下るわけです。
「美味い話には裏がある」、顧客側もそうしたリスクを積極的に取った上で大きなリターンを得るのが自由主義経済であり、政府が規制すりゃ万々歳ってことではないのです。
スキームの問題は分かった、財務局や証券投資顧問業協会のチェックから漏れていたことも分かった、しかし最後に通報制度が機能して事態を食い止めた、こうした教訓から得られる結論は、事前規制型より事後監視型が奏功するといことです。
しかし、政治やメディアの圧力によって事前規制路線に逆戻りしないのか、これが最も心配ですね。


posted by 泥酔論説委員 at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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